深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

2020-01-01から1年間の記事一覧

ブックレビュー『幻想小説とは何か』

平凡社ライブラリー『幻想小説とは何か:三島由紀夫怪異小品集』読了。 幻想小説とは何か: 三島由紀夫怪異小品集 (906) (平凡社ライブラリー) 作者:由紀夫, 三島 発売日: 2020/08/27 メディア: 新書 三島由紀夫晩年の文学論を中心に、幻想小説をあしらったア…

最新掌編「エニドリオン」公開!

水族館を扱った作品を……というカクヨムの自主企画に応じて、異様なナイトアクアリウム探訪の物語を書き下ろしました。2020年の掌編(多分)第10弾「エニドリオン」。 kakuyomu.jp タイトル ενυδρείον はギリシア語で水族館のこと。 ショートショート「エニド…

読みかけ『幻想小説とは何か:三島由紀夫怪異小品集』

昨日の続き。 『幻想小説とは何か:三島由紀夫怪異小品集』 幻想小説とは何か: 三島由紀夫怪異小品集 (906) (平凡社ライブラリー) 作者:由紀夫, 三島 発売日: 2020/08/27 メディア: 新書 Ⅲ 澁澤龍彦とともに(対談・書評・書簡篇)まで読了。 印象的な箇所を…

読みかけ『幻想小説とは何か:三島由紀夫怪異小品集』

ちょうど半分くらいまで読み進めた 『幻想小説とは何か:三島由紀夫怪異小品集』。 幻想小説とは何か: 三島由紀夫怪異小品集 (906) (平凡社ライブラリー) 作者:由紀夫, 三島 発売日: 2020/08/27 メディア: 新書 読了後にも何やら語りたくなるかもしれず、 そ…

久しぶりの「段取り鶏」🐓

家庭で出来るタンドリーチキン風グリルドチキン、 題して「ダンドリチキン」(笑)をしばらくぶりに作りました。 無糖プレーンヨーグルト1パック(400グラム程度)に調味料【※】を混ぜ込み、 ペーパータオルでドリップを拭き取った鶏モモ肉(400~500グラム…

ブックレビュー『ストーカー』

ソビエト時代のロシアのSF作家の兄弟、 アルカジイ&ボリス・ストルガツキーの共作『ストーカー』読了。 ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504) 作者:アルカジイ ストルガツキー,ボリス ストルガツキー 発売日: 2014/09/05 メディア: 文庫 タルコフスキーによる…

カクヨム新イベント:(ミステリー)+(ホラー)÷2=

新テーマで自主企画@カクヨム(9回目)。 題して(ミステリー)+(ホラー)÷2= kakuyomu.jp カクヨムにはジャストフィットな枠がないので、 やむなく「ミステリー」または「ホラー」にジャンル分けしている 怪奇・幻想・探偵小説、あるいは《奇妙な味》…

岸裕子四番勝負(笑)

夜更かしあるあるですが、調べ物をしていて、 気づいたら遠く離れた場所で何やらポチポチ買い物をしてしまった―― という例のアレです。 今回は岸裕子の絶版コミックスを中古で買ったの巻。 ja.wikipedia.org この方も年齢的には紛れもなく24年組のはずですが…

cruelty

カクヨムの近況ノートと重複しますが、こちらにも記録しておきたいので……。 カクヨム自主企画《残酷描写ミセテ》というタイトルが目に留まったので、 掌編「蛺蝶(たてはちょう)」を潜り込ませました。 (弾かれる可能性無きにしも非ず、ですが) kakuyomu.…

最新掌編「霊迎」公開!

お盆に合わせた怪談掌編を書き下ろし、公開しました。 死者の魂をいっとき招き寄せる行事に参加した少年の記憶 「霊迎(たまむかえ)」。 kakuyomu.jp 〈お盆〉〈夏の日[※]〉〈スイカ〉を盛り込んで 5000字以内で書き下ろし、という企画への参加作品です。…

ブックレビュー『夜毎に石の橋の下で』

張り切って買ったのに三年近く寝かせてしまった、 レオ・ペルッツ(1882-1957)のよごはしこと『夜毎に石の橋の下で』を ようやく読了。 ja.wikipedia.org 夜毎に石の橋の下で 作者:レオ・ペルッツ 発売日: 2012/07/25 メディア: 単行本 16世紀末プラハのユ…

これもお題の一つかも……(違うか)。

twitterなどと違って、ここでは飯テロはやらないと決めていたのですよ。 はてブロは創作メモと完成品のPR、 そして、読書や映画に関する話題だけにしよう――と。 しかし、今日のランチは、 そんなお約束を破って見せびらかしたくなるビジュアルだったので……。…

ブックレビュー『女の園の星①』

何故か読んでしまった。 女の園の星(1)【電子限定特典付】 (FEEL COMICS swing) 作者:和山やま 発売日: 2020/07/08 メディア: Kindle版 www.amazon.co.jp 主に女子高の国語教諭・星先生(30代男性)目線で描かれる、緩い、というか、ぬるい日々の淡々とし…

最近書いていますか? その4。

掌編「翠玉」(@『掌編 -Short Short Stories-』)が 手を離れるか離れないかくらいのうちから、 新しいネタがムズムズと頭を浸蝕し始めた。 kakuyomu.jp これがネタの鮮度で決まるショートショートなら大急ぎで着手するところだが、 どうやらストーリー性…

最新掌編「翠玉」公開!

チラッと予告した新しいショートショートを公開しました。 fukagawa-natsumi.hatenablog.com タイトルは「翠玉(すいぎょく)」。 結婚55周年=エメラルド婚式を迎えた老夫婦のエピソード。 kakuyomu.jp Romancer(縦書き)には 『掌編 -Short Short Stories…

ブックレビュー『最後の宴の客』

ボルヘスの編纂による『バベルの図書館』叢書29.ヴィリエ・ド・リラダン『最後の宴の客』、古書を購入し、読了。 今回も良心的価格で助かりました。 象徴主義の代表的人物の一人、フランスの小説家・詩人・劇作家、ジャン=マリ=マティアス=フィリップ=オ…

最近書いていますか? その3。

fukagawa-natsumi.hatenablog.com ↓ その後、掌編「武蔵野酔夢潭」は無事完成、カクヨムでリリース済。 kakuyomu.jp 短編……は、しばし棚上げです(汗)。で、手が止まっていた『宵待蟹岬毒草園』戯曲版の続きを、 半年ぶり(!)に書き始めました。現時点で…

ブックレビュー『羊の木』

ずっと頭の隅で気にかけながら、何となく手を出しそびれていたマンガをまとめ買い。 タイトルは主人公の職場=市長室に飾られた絵に由来。魚深(うおぶか)市長の鳥原の家に受け継がれてきたもので、昔のヨーロッパで未知の綿花を「羊の生る木」だと想像して…

中編をめぐる架空の対話

S:遂にこの日が来たね。 J:ああ。 (片や下戸、片や酒量制限中につき、揃ってノンアルコールビールを飲んでいる) S:未来の曜日や月齢は調べればいいけど、天気ばかりはその日にならないと。 J:どうせ当日までわからないんだから、設定自体あやふや…

自作に相応しい音楽の話を少々。

やや強引に引っ張ってくれば、 「武蔵野酔夢潭」に最良のBGMはコレですかな。 www.youtube.com 眠いし、泳いでいるっぽいし(笑)。 あれ、昔は「モーフィーン」って呼んでいたし、 日本版CDのアーティスト名表記もそうなんだけど、 Wikipediaには「モーフィ…

ブックレビュー『パラケルススの薔薇』

ボルヘス自身の編纂による『バベルの図書館』叢書22.「パラケルススの薔薇」読了。 調べ物をしていて、ふと、 この本にボルヘスの未読の小説が収録されていることを思い出したので 古書を購入(良心的価格でした、ありがたや……)。 パラケルススの薔薇 (バベ…

書き下ろし掌編「武蔵野酔夢潭」リリース!

『月と吸血鬼の遁走曲(フーガ)』収録「クレッセント」 より先に書き始めていたショートショートが中休みを経て完成しました。 タイトルは「武蔵野酔夢潭」。 ショートショート「武蔵野酔夢潭」イメージ kakuyomu.jp 僅か3800字程度なのに、発案から脱稿ま…

ブックレビュー『大手拓次詩集』

詩人・文学研究家、原子朗(1924-2017)が手掛けた大手拓次精選詩集の復刊、2018年7月(第4刷)。 大手拓次詩集 (岩波文庫) 作者:大手 拓次 発売日: 1991/11/18 メディア: 文庫 岩波文庫復刊情報を得て喜び勇んで購入しながら二年も寝かせてしまった。 巻…

カクヨム新イベント:夏休みに里帰り⛱

ふと思い立ったので新テーマで自主企画@カクヨム。 過疎ろうがどうだろうが構わん(笑)。 kakuyomu.jp 夏の帰省の情景を描いた作品を並べてヴァケーション気分を味わおう、夏(夏休み)に故郷へ旅する物語だ、他の季節じゃダメなんだ!ということで。 例に…

居留守文庫さんに古書を納入。

阿倍野の古書店《居留守文庫》さんの #自著と蔵書の一箱委託販売 に参加しています。 www.irusubunko.com 自費出版本・私家版と共にセレクト古書を陳列箱に詰めて お店に置いていただくのです。 並んだ古本を目にして「おっ?」と思ったお客さんに、 あわよ…

ドラマ『探偵・由利麟太郎』最終回視聴。

とうとう終わってしまった『探偵・由利麟太郎』……。 www.ktv.jp 最終エピソード「マーダー・バタフライ」は 横溝正史『蝶々殺人事件』をベースにしながら、 殺人の動機や結末が違う。 蝶々殺人事件 「由利先生」シリーズ (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: …

ドキュメンタリー『キューブリックが語るキューブリック』

故スタンリー・キューブリックと親交のあった 映画評論家ミシェル・シマンによるインタビュー音声を元に構成された ドキュメンタリー番組『キューブリックが語るキューブリック』を録画視聴。 www2.nhk.or.jp 「映画作りは戦争と同じだ」 「人は自分の邪悪さ…

ブックレビュー『山峡奇談』

購入から半年寝かせて(汗)ようやく河出文庫『山峡奇談』を繙き、読了。 日本文学研究者・志村有弘=編、 古代から昭和初期まで、日本各地に伝わってきた山に関する不思議な話、 怖い話を集めた現代語訳アンソロジー。 山峡奇談 (河出文庫) 発売日: 2020/01…

最近書いていますか? その2。

5月末に、こんなことを言っていました。 fukagawa-natsumi.hatenablog.com さて。 6月~7月上旬までに、更に掌編を2編、書き下ろしました。 しかも、一方は2バージョン(←威張るな)! kakuyomu.jp 「アッペティート」縦書き完全版はこちら。 そして、…

ドラマ『探偵・由利麟太郎』第4回視聴。

最終話「マーダー・バタフライ」前編の巻。 www.ktv.jp 原作はちゃんと読みましたよ。 蝶々殺人事件 「由利先生」シリーズ (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: 2020/03/24 メディア: Kindle版 で、どんなアレンジなのかを楽しもう、と。 キャスト、原さくら…