深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

ブックレビュー『チリの地震』

ドイツの小説家・劇作家ハインリヒ・フォン・クライスト(1777-1811)の 掌短編小説6編+エッセイ2編を収録した作品集『チリの地震』を読了。 チリの地震---クライスト短篇集 (KAWADEルネサンス/河出文庫) 作者:H・V・クライスト 河出書房新社 Amazon チ…

ブックレビュー『狩場の悲劇』

ロシアの大・劇作家、アントン・チェーホフ(1860-1904)が残した 唯一の長編ミステリ小説『狩場の悲劇』(1884年)―― Драма На Охоте(The Hunting Ground Tragedy)読了。 ja.wikipedia.org 狩場の悲劇 (中公文庫 チ 3-3) 作者:チェーホフ 中央公論新社 Am…

ブックレビュー『ガルシア=マルケス中短篇傑作選』

河出文庫『ガルシア=マルケス中短篇傑作選』読了。 ガルシア=マルケス中短篇傑作選 (河出文庫 マ 11-1) 作者:ガブリエル・ガルシア=マルケス 河出書房新社 Amazon ノーベル文学賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケスの 1960年代~1980年代初頭にかけて発表…

ブックレビュー『サイコ』

(えー、毎度お馴染み、古い絶版本の話題でございます……) fukagawa-natsumi.hatenablog.com 映画を観てからの原作本購入、読了。 ロバート・ブロック『サイコ』(PSYCHO,1959)の巻。 サイコ (創元推理文庫) 作者:ロバート ブロック 東京創元社 Amazon サイ…

ブックレビュー『感染症としての文学と哲学』

文芸批評家・福嶋亮大=著『感染症としての文学と哲学』(光文社新書) 読了。 感染症としての文学と哲学 (光文社新書) 作者:福嶋 亮大 光文社 Amazon ja.wikipedia.org 先日読んだ19世紀吸血鬼小説アンソロジー『吸血鬼ラスヴァン』解説で 言及されていたの…

ブックレビュー『吸血鬼ラスヴァン』

ジョン・ポリドリ「吸血鬼」の新訳目当てで購入したアンソロジー 『吸血鬼ラスヴァン』(東京創元社)を読了。 吸血鬼ラスヴァン: 英米古典吸血鬼小説傑作集 作者:G・G・バイロン,J・W・ポリドリ 東京創元社 Amazon 吸血鬼小説の鼻祖とされるブラム・ストー…

ブックレビュー『チャイルド44』

トム・ロブ・スミス『チャイルド44』上下巻を今頃読了。 チャイルド44 上巻 (新潮文庫) 作者:トム・ロブ スミス 新潮社 Amazon チャイルド44 下巻 (新潮文庫) 作者:トム・ロブ スミス 新潮社 Amazon 横に並べると、こうなるのだった(ちょっとズレた)。 『…

ブックレビュー『チベット幻想奇譚』

twitterで情報が流れてきて興味を持ったので購入、読了。 チベット幻想奇譚 作者:星泉,三浦順子,海老原志穂 春陽堂書店 Amazon 現代チベットの作家の掌短編集で、幻想的な作風に的を絞ったもの。 原著はチベット語または中国語で書かれた作品、全13編。 諸外…

ブックレビュー『テュルリュパン~ある運命の話』

20世紀前半にウィーンで活躍したユダヤ系作家 レオ・ペルッツ(1882-1957)の(わりと短い)長編小説 『テュルリュパン~ある運命の話』読了。 テュルリュパン ――ある運命の話 (ちくま文庫) 作者:レオ・ペルッツ 筑摩書房 Amazon 舞台は17世紀のフランス、目…

ブックレビュー『阿片常用者の告白』

トマス・ド・クインシー『阿片常用者の告白』読了。 阿片常用者の告白 (岩波文庫) 作者:ド・クインシー 岩波書店 Amazon 先日の『夜の来訪者』同様、レスコフ『真珠の首飾り』にて 既刊案内を目にし、そういえば読んでいなかったなぁ……と思って購入。 2017年…

ブックレビュー『J.G.バラード短編全集』④「下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ暗殺事件」

アンソロジー『疫病短編小説集』を読み、 疫病短編小説集 (915) (平凡社ライブラリー き 15-1) 作者:R.キプリング,K.A.ポーター 平凡社 Amazon 「集中ケアユニット」に衝撃を受けて、 長年何となく難解そうだからと手を出しかねていた J.G.バラードの短編全…

ブックレビュー『愛はさだめ、さだめは死』

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『愛はさだめ、さだめは死』読了。 愛はさだめ、さだめは死 (ハヤカワ文庫SF) 作者:ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア 早川書房 Amazon 今頃古い本を買ったのは、とり・みき大先生の『SF大将』のせいだった。 booklog.j…

ブックレビュー『黒衣聖母』

編者解説に曰く(p.350) > ミステリが探偵小説と呼ばれていた時代(大正期から昭和二十年代まで) > に活躍した作家の作品を対象にした > 光文社文庫の新シリーズ《探偵くらぶ》第二弾 芥川龍之介短編集『黒衣聖母』を読了。 黒衣聖母 (探偵くらぶ) 作者:芥…

ブックレビュー『黄(ウォン)夫人の手』

岩波書店『図書』の連載、四方田犬彦「大泉黒石」を愛読していて、 肝心の作品が気になったので、現在比較的入手が容易な古書を購入。 それなりにおどろおどろしいものを期待していたが、 意外にアッサリ、薄味の(?)選集だった。 黄(ウォン)夫人の手 ---…

ブックレビュー『コンクリート・アイランド』

J.G.バラード《テクノロジー三部作》を、適当な順に全部読んだ。 fukagawa-natsumi.hatenablog.com fukagawa-natsumi.hatenablog.com 最後は『コンクリート・アイランド』。 これは絶版につき古書購入(少々高くついた……)。 コンクリート・アイランド 作者:…

ブックレビュー『クラッシュ』

遅蒔きながらJ・G・バラード『クラッシュ』読了。 SFではないがSF文庫。 クラッシュ (創元SF文庫) 作者:J.G. バラード 東京創元社 Amazon テレビCMプロデューのジェイムズ・バラード(!)40歳は、 六月の夕暮れ、雨上がりの高速道路を走行中、車をスリ…

ブックレビュー『J.G.バラード短編全集』③「終着の浜辺」

アンソロジー『疫病短編小説集』を読み、 疫病短編小説集 (915) (平凡社ライブラリー き 15-1) 作者:R.キプリング,K.A.ポーター 平凡社 Amazon 「集中ケアユニット」に衝撃を受けて、 長年何となく難解そうだからと手を出しかねていた J.G.バラードの短編全…

ブックレビュー『ハイ・ライズ』

股上の深いジーンズの話……ではない。 pants.jp J.G.バラードの短めの長編『ハイ・ライズ(HIGH-RISE)』読了。 ja.wikipedia.org ハイ・ライズ (創元SF文庫) 作者:J・G・バラード 東京創元社 Amazon ハイ・ライズ (創元SF文庫) 作者:J・G・バラード 東京…

ブックレビュー『殺す』

J.G.バラード『殺す』読了。 物騒な邦題だが、原題は “running wild”。 最初からヒントが出ていた(笑)。 ejje.weblio.jp 殺す (創元SF文庫) (創元SF文庫) 作者:J・G・バラード 東京創元社 Amazon SFではなくミステリ中編。 異常な事件の発生から二ヶ月…

ブックレビュー『フランケンシュタイン伝説』

フランケンシュタイン伝説―海外ホラーSF短篇集 ジャストシステム Amazon メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』を鼻祖として 脈々と語り継がれる人造人間の恐怖を扱ったホラー・アンソロジー全12編。 書肆鯖さんHPをウロウロしていたら目についたので…

ブックレビュー『須永朝彦小説選』

今年5月に没した耽美幻想派の作家の作品から 山尾悠子がセレクトした逸品集、ちくま文庫『須永朝彦小説選』読了。 高額な中古の全集に手を出さなくてよかった(笑)。 須永朝彦小説選 (ちくま文庫) 作者:須永 朝彦 筑摩書房 Amazon ja.wikipedia.org ja.wik…

ブックレビュー『残虐行為展覧会』

ちょっぴりJ.G.バラードにハマッて手を出した中古本、 『残虐行為展覧会《改訂版》』。 残虐行為展覧会 作者:J.G.バラード 工作舎 Amazon 残虐行為展覧会 (1980年) 作者:J.G.バラード Amazon ja.wikipedia.org 1960年代後半に書かれた短編をまとめた作品集(…

ブックレビュー『J.G.バラード短編全集』②「歌う彫刻」

アンソロジー『疫病短編小説集』を読み、 疫病短編小説集 (915) (平凡社ライブラリー き 15-1) 作者:R.キプリング,K.A.ポーター 平凡社 Amazon 「集中ケアユニット」に衝撃を受けて、 長年何となく難解そうだからと手を出しかねていた J.G.バラードの短編全…

ブックレビュー『蔵の中・鬼火』

蔵の中・鬼火 (角川文庫) 作者:横溝 正史 KADOKAWA Amazon 蔵の中・鬼火 (角川文庫) 作者:横溝 正史 KADOKAWA Amazon 1930年代発表の、金田一耕助登場前の妖美な短編を集めた作品集。 古い版で二度ほど読んだが、引っ越し後のアクシデントにより、 また最新…

ブックレビュー『ワインズバーグ、オハイオ』

今に始まったことではありませんが、 深夜にネットを徘徊していて目についた古書情報から、 あー、この作家の名前、聞いたことがあるような、ないような…… と思い、軽く調べた結果、買う羽目になった本。 シャーウッド・アンダーソン『ワインズバーグ、オハ…

ブックレビュー『小悪魔』

ソログープ『小悪魔』をようやく読了。 小悪魔 (白水Uブックス) 作者:フョードル・ソログープ 白水社 Amazon 小悪魔 (1972年) (モダン・クラシックス) 作者:フョードル・ソログープ Amazon ja.wikipedia.org 引っ越し目前で「ラストまであと少し」というとこ…

ブックレビュー(?)『中井英夫スペシャル』

古い本でAmazonに情報がなかったためか ブクログ検索でヒットしなかったアイテムが 長い時間を経てお目見えしたので、ようやく登録。 別冊幻想文学『中井英夫スペシャル』Ⅰ・Ⅱ。 中井英夫スペシャルⅠ 反世界の手帖 (別冊 幻想文学) 作者:東 雅夫 幻想文学出…

ブックレビュー(?)『不思議な国のラプソディ』

古い本でAmazonに情報がなかったためか ブクログ検索でヒットしなかったアイテムが 長い時間を経てお目見えしたので、ようやく登録。 不思議な国のラプソディ 海外SF傑作選 講談社文庫 福島正実 編 作者:福島 正実 ノーブランド品 Amazon 画像はありません …

ブックレビュー『赤い死の舞踏会‐付・覚書(マルジナリア)』

短編集だもんで、キリのいいところで閉じて 別の本を割り込ませてしまったため、 えらい時間がかかったけれど、 読了しました『赤い死の舞踏会』。 赤い死の舞踏会-付・覚書(マルジナリア) (中公文庫 ホ 3-4) 作者:エドガー・アラン・ポー 中央公論新社 Amaz…

ブックレビュー『少年愛文学選』

何かと勉強になる平凡社ライブラリーのアンソロジーを、また一冊。 今回は『少年愛文学選』。 高畠華宵サマの表紙がグッと来るよね。 少年愛文学選 (平凡社ライブラリー お 30-1) 作者:折口信夫、稲垣足穂ほか 発売日: 2021/04/26 メディア: 新書 ja.wikiped…