深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

#私がやってる創作をざっくり言う→小説を書いていますが戯曲に手を出してしまいましたが捗りません。

#私がやってる創作をざっくり言う→

小説を書いていますが戯曲に手を出してしまいました。

から、随分間が空きました。

カクヨムの自主企画《コッドピースをネタにした歴史小説》

目を奪われて、挑戦してしまったせいなのですが。

めでたく完成したので、気持ちを切り替えて、

改めて取り組みたいと思います。

これが終わらないと他のネタに手を付けられないからな……。

 

ブックレビュー『至福千年』

購入から六年近く寝かせてしまった石川淳『至福千年』をようやく読了。

 

至福千年 (岩波文庫 緑 94-2)

至福千年 (岩波文庫 緑 94-2)

 

 

幕末の江戸で世直しを目論む隠れキリシタン千年会の首魁・加茂内記は

部下を巧みに操り、また、自らの妖術を以て邪魔者を消す。
同じ隠れキリシタンでありながら、
内記を悪と見なして反発する富豪・松太夫と争いを繰り広げるが……。

 

地上の楽園を実現するため、内記の意を受け、

更紗作りに命を懸ける職人・東井源左や、
彼の弟子で、千年会のキリストとして祀り上げられ、

そのために去勢された与次郎など、
序盤は耽美・幻想的な雰囲気が強く、
エロ度が控えめな山田風太郎っぽい作品なのか(爆)と思いながら読み進めたが、
改変歴史小説ではなく、
史実の裏にあったかもしれない暗闘というストーリーなので、
魅力的なキャラクターたちが
最終的に事実の奔流に呑み込まれてしまった印象。
もったいない気もするが、彼らもまた幕末の混乱と喧噪に翻弄されて、
儚い夢のように消えた――といったところか。
義理人情に厚い反面、終始、
事態を醒めた目で眺め続けた俳諧師・一字庵冬峨の行方が気になる。

 

余談だが、澁澤による解説はオチに触れているので、

本編読了前に覗かないのがベター(笑)。

 

書き下ろし短編「小袋逸聞~Bloody Codpiece」リリース!

カクヨムの自主企画《コッドピースをネタにした歴史小説》

参加書き下ろし短編「小袋逸聞(こぶくろいつぶん)」

連載を開始しました。

大した長さではありませんが、構成の都合中、連載形式になります。
しばらくの間、お付き合いください。

 

f:id:fukagawa_natsumi:20200218232445p:plain

「小袋逸聞 -Bloody Codpiece-」Romancer表紙

 

取り掛かったときは、自分で立ち上げた企画
《春の草花図鑑》に加える予定だったのですが、
規定の1万字を超えてしまったので断念しました。
8千字くらいで書けると思っていたのに……無理だった(トホホ)。

 

Romancerでの縦書き版公開はカクヨム連載終了間際になります。

 

いやー、歴史物は難しい。
でも、いろいろ勉強になりました。
ぷはー。

 

進捗報告。

カクヨムの自主企画《コッドピース(股袋)をネタにした歴史小説》

募集に応じて書き下ろした“とりかへばや物語”式短編、

題して「小袋逸聞 -Bloody Codpiece-」脱稿。

途中、わからないことを調べる度に書く手が止まり、

厄介だ、難敵だなぁ……と思いつつ、

こんなお題を振られて、私が書かなきゃ誰が書く!

ぐらいの決意を以て立ち向かいました(笑)。

お陰でいろいろ勉強になりました。

構成の都合上、カクヨムでは短い1話ずつの連載形式を取り、

終盤に入ったら全文をRomancerで公開します。

ということで、連載開始後に作品URLを告知いたします。

 

f:id:fukagawa_natsumi:20200218160754p:plain

「小袋逸聞」イメージ画像

 

この三週間、何度「袋」という字を綴っただろうか……(笑)

ブックレビュー『びっくり箱殺人事件』

横溝正史『びっくり箱殺人事件』(角川文庫)読了。

びっくり箱殺人事件 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)

びっくり箱殺人事件 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)

 

 

長めの表題作と、文庫の帳尻合わせとして(?)併載された短編、全2編。


表題作は、丸の内の中規模劇場で軽演劇を披露する梟座に

突如発生した怪事件の話。
新作「パンドーラの匣」公演七日目、

暗い楽屋で演者や脚本家たちが次々と何者かに殴られたが、
一同は釈然としないままメイクを直して開幕、すると、序盤で、
主演女優が開くはずの箱に相手役の男優が触れたと見るや、

バネの付いたナイフが飛び出し、胸に刺さった……。
座長が元・活動弁士という設定だからか、どうなのか、

地の文が独特の語り口調で、
残忍な殺人事件を扱っているにもかかわらず、緊迫感がない(笑)。

解説によれば、執筆は1948年で雑誌連載だったそうだが、
シリアスの極み「本陣殺人事件」や「獄門島」の直後の作だというから

尚更驚いてしまう。
一番「騙された~」と思ったのは、

てっきり粗忽者だが好青年の野崎記者が探偵役を務めるのかと思いきや、
謎を解いたのが深山座長だったこと。

 

短編「蜃気楼島の情熱」は安定の金田一耕助モノ。
金田一パトロンの一人である、瀬戸内で果樹園を営む久保銀造と共に

旅館でのんびりしていると、事件の報せが……。
タイトルは久保の友人・志賀泰三の、

理想の屋敷と、そこでの若く美しい妻との幸福な生活に対する
狂おしいまでの執念を指す。
殺人の手口を喝破するヒントを金田一に与えた、

送迎船を操る美少年(?)佐川春雄くんがかわゆい。

 

ブックレビュー『貸しボート十三号』

名探偵・金田一耕助の推理が冴える中編3編。
BS-NHKのドラマ「貸しボート十三号」池松壮亮主演)を観て購入したのは
昔の角川文庫(古書)。

 

f:id:fukagawa_natsumi:20200121164031j:plain

横溝正史『貸しボート十三号』書影

 

現行のkindle版の表紙はこんな感じ(いずれも杉本一文画伯による)。

貸しボート十三号 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)

貸しボート十三号 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)

 

 

相棒を岡山の磯川警部が務め、東京の等々力警部が務め、
最後は両者が相まみえるという趣向の一冊で、ファンには楽しい内容。

 

「湖泥」
 岡山県の、とある農村。
 ダム湖の畔。
 元は同じ一つの家だったが今はいがみ合う仲だという北神・西神両家の跡取りが
 奪い合いを演じた若い女性・御子柴由紀子が失踪。
 雑然とした都会は人間同士の結びつきが弱く、一見平和そうな田舎の方が、
 ふとしたきっかけで恐ろしい出来事が起こる可能性が高いと語る磯川警部。
 一同に白眼視され、いつしか風景に溶け込むように存在感を失った人物の

 復讐とも取れる事件。

 

「貸しボート十三号」
 隅田川の河口に漂う貸しボートの中に、男女の凄惨な死体が……。
 名門大学の強豪ボート部を巻き込んだ、

 恋と友情を巡る事件の真相を金田一耕助が暴く。
 それでいて「推理というほどのものはなかったんです」(p.227)と嘯く

 飄々とした名探偵なのだった。

 

「堕ちたる天女」
 トラックの後部から脱落した荷物は、死体を石膏で固めた像だった……。

 怨恨や、大切な人を守ろうとして行き過ぎた行動を取ったがための殺人には

 酌量の余地があるが、

 金銭目的とは言語道断、ゲスの極み――と断罪する名探偵。
 それは至極もっともなのだが、

 下世話過ぎる犯行動機に呆れ、疲れ果てた金田一のセリフ、
 「ぼく、かえります。かえって酒でも飲んで寝るんです」(p.357)には、

 ちょっと笑ってしまった。

積ん読『びっくり箱殺人事件』

今日買った古書。

横溝正史『びっくり箱殺人事件』。

びっくり箱殺人事件 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)

びっくり箱殺人事件 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)

 

 

表紙画は現行のkindle版と同じで、杉本一文画伯。

折り返しの煽り文句はこんな感じ。

 

f:id:fukagawa_natsumi:20200203181029j:plain

『びっくり箱殺人事件』カバー折り返し

 

これは実家(母の蔵書)にはなかった気が……ともかく未読には違いない。

そうか、等々力警部が頑張るのね、ウフフ。

 

ゲットしたのは1984年第24刷で、保存状態はすこぶる良好、

しかもお値段控えめだったのでラッキーと申せましょう。

もしかして、この手の本って、

経年劣化がひどくても初版本に人気が集まって値段も高くなるのかしらん??