深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

幻想文学

ブックレビュー『サラゴサ手稿』

ポーランドの大貴族ヤン・ポトツキ(1761-1815)がフランス語で執筆した幻想長編。 著者がサラゴサ包囲戦(1808年)にフランス軍将校として参戦した折、 人家に残された手稿を手に入れ、 スペイン人大尉に仏訳口述してもらって書き取った――という設定で、 ス…

ブックレビュー『チベット幻想奇譚』

twitterで情報が流れてきて興味を持ったので購入、読了。 チベット幻想奇譚 作者:星泉,三浦順子,海老原志穂 春陽堂書店 Amazon 現代チベットの作家の掌短編集で、幻想的な作風に的を絞ったもの。 原著はチベット語または中国語で書かれた作品、全13編。 諸外…

ブックレビュー『須永朝彦小説選』

今年5月に没した耽美幻想派の作家の作品から 山尾悠子がセレクトした逸品集、ちくま文庫『須永朝彦小説選』読了。 高額な中古の全集に手を出さなくてよかった(笑)。 須永朝彦小説選 (ちくま文庫) 作者:須永 朝彦 筑摩書房 Amazon ja.wikipedia.org ja.wik…

ブックレビュー(?)『中井英夫スペシャル』

古い本でAmazonに情報がなかったためか ブクログ検索でヒットしなかったアイテムが 長い時間を経てお目見えしたので、ようやく登録。 別冊幻想文学『中井英夫スペシャル』Ⅰ・Ⅱ。 中井英夫スペシャルⅠ 反世界の手帖 (別冊 幻想文学) 作者:東 雅夫 幻想文学出…

ブックレビュー『幻想小説とは何か』

平凡社ライブラリー『幻想小説とは何か:三島由紀夫怪異小品集』読了。 幻想小説とは何か: 三島由紀夫怪異小品集 (906) (平凡社ライブラリー) 作者:由紀夫, 三島 発売日: 2020/08/27 メディア: 新書 三島由紀夫晩年の文学論を中心に、幻想小説をあしらったア…

読みかけ『幻想小説とは何か:三島由紀夫怪異小品集』

昨日の続き。 『幻想小説とは何か:三島由紀夫怪異小品集』 幻想小説とは何か: 三島由紀夫怪異小品集 (906) (平凡社ライブラリー) 作者:由紀夫, 三島 発売日: 2020/08/27 メディア: 新書 Ⅲ 澁澤龍彦とともに(対談・書評・書簡篇)まで読了。 印象的な箇所を…

読みかけ『幻想小説とは何か:三島由紀夫怪異小品集』

ちょうど半分くらいまで読み進めた 『幻想小説とは何か:三島由紀夫怪異小品集』。 幻想小説とは何か: 三島由紀夫怪異小品集 (906) (平凡社ライブラリー) 作者:由紀夫, 三島 発売日: 2020/08/27 メディア: 新書 読了後にも何やら語りたくなるかもしれず、 そ…

cruelty

カクヨムの近況ノートと重複しますが、こちらにも記録しておきたいので……。 カクヨム自主企画《残酷描写ミセテ》というタイトルが目に留まったので、 掌編「蛺蝶(たてはちょう)」を潜り込ませました。 (弾かれる可能性無きにしも非ず、ですが) kakuyomu.…

ブックレビュー『夜毎に石の橋の下で』

張り切って買ったのに三年近く寝かせてしまった、 レオ・ペルッツ(1882-1957)のよごはしこと『夜毎に石の橋の下で』を ようやく読了。 ja.wikipedia.org 夜毎に石の橋の下で 作者:レオ・ペルッツ 発売日: 2012/07/25 メディア: 単行本 16世紀末プラハのユ…

ブックレビュー『ウイスキー奇譚集』

下戸のくせに何故かタイトルに惹かれて古本を購入、 読了した『ウイスキー奇譚集』。 Amazonでの表記が「ウィスキー奇譚集」になっているが「ウイスキー」が正しい。 ウィスキー奇譚集 作者:ジャン レイ メディア: 単行本 ベルギーのフラマン語圏出身で、 フ…

ブックレビュー『暗黒怪奇短篇集』

澁澤龍彦が翻訳したフランスの小説集、全6編収録。タイトルは仰々しく重苦しいが、中身は意外に肩の力を抜いて楽しめる軽さ(巻頭作以外)。恐怖より黒い笑いの比重が高い。 澁澤龍彦訳 暗黒怪奇短篇集 (河出文庫) 作者: 出版社/メーカー: 河出書房新社 発…

ブックレビュー『ノディエ幻想短篇集』

復刊の告知に胸躍らせ、出るや否や購入したというのに、 それから一年以上も寝かせてしまったノディエ短編集を、ようやく読了。 ノディエ幻想短篇集 (岩波文庫) 作者: シャルルノディエ,篠田知和基 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1990/03/16 メディア: …