S:遂にこの日が来たね。
J:ああ。
(片や下戸、片や酒量制限中につき、揃ってノンアルコールビールを飲んでいる)
S:未来の曜日や月齢は調べればいいけど、天気ばかりはその日にならないと。
J:どうせ当日までわからないんだから、設定自体あやふやにすればいいのに。
S:それが出来ないのが作者の性分でしょ。
実在の土地が舞台だと、細かいことが気になってしょうがないみたいよ。
J:交通機関とかね。
なるほど、ご丁寧に運航スケジュールだの
Wi-Fiはロビーやレストランで利用可だの、みっちりメモしてある。
S:小説執筆のための下調べが趣味なんじゃないの。
J:因果だな。
S:で、二年ばかり前に今頃の旅先の気象条件を想像して書いて、
今晩答え合わせ、と。
J:天気どころか重大なイベントが中止……おっと失礼、延期になったじゃないか。
S:但し「それは彼らには関係ない」って注記してある(笑)。
(注文した料理が運ばれてくる)
S:サモサも頼めばよかったか。
J:それじゃ食い過ぎ。年々代謝が落ちてるんだから、ちょっとは考えろ。
S:チェッ。
S:あ、おまえさん「確かに、未来はわからないな」って言ってる(笑)!
ここ、ほら、12ページ。ハハハ。
J:作者がtipsと称するあんちょこ(死語?)によれば、
「本作が執筆時点より未来の設定である点を踏まえた
メタフィクショナルなセリフ」だそうだ。
S:そんなことより、デザートは何にする?