深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

短編集

ブックレビュー『倉橋由美子の怪奇掌篇』

買って手放して買い直し、 何度も読んでいる愛読書の一つ『倉橋由美子の怪奇掌篇』を、またしても。 倉橋由美子の怪奇掌篇 (新潮文庫 く 4-11) 作者:倉橋 由美子 新潮社 Amazon 倉橋由美子の怪奇掌篇(新潮文庫) 作者:倉橋 由美子 新潮社 Amazon 同内容・別…

ブックレビュー『雪女・吸血鬼短編小説集 ラフカディオ・ハーンと怪奇譚』

小泉八雲=ラフカディオ・ハーンの業績を手掛かりに 各国の雪女もしくは吸血鬼にまつわる物語を収集したアンソロジー、 編著者の訳し下ろし、『雪女・吸血鬼短編小説集 ラフカディオ・ハーンと怪奇譚』 読了。 雪女・吸血鬼短編小説集: ラフカディオ・ハーン…

電子書籍『カレンダリウム』リリース!

前フリから2週間強、最新作品集『カレンダリウム』リリースに漕ぎ着けました。 電子書籍『カレンダリウム』サムネイル by Midjourney_V7 fukagawa-natsumi.hatenablog.com 日常から脇道に逸れ、ついでに少し板を踏み外してみませんか? 思いがけない暇潰し…

ブックレビュー『反悲劇』

2009年に一度読んだ倉橋由美子『反悲劇』を再読。 ギリシャ悲劇をベースにした幻想不条理短編集。 反悲劇 (新潮文庫 草 113-8) 作者:倉橋 由美子 新潮社 Amazon 反悲劇 (講談社文芸文庫) 作者:倉橋由美子 講談社 Amazon 向日葵の家 酔郷にて 白い髪の童女 河…

ブックレビュー『悪い夏』

九年ほど前に古本を買って一度読んだ倉橋由美子短編集『悪い夏』を再読。 悪い夏 (角川文庫) 作者:倉橋 由美子 Amazon 愛の陰画 蠍たち パッション 死んだ眼 夏の終り 犬と少年 悪い夏 愛の陰画 学生運動に身を投じるぼくだったが、組織は内部崩壊の兆しを見…

ブックレビュー『夢のなかの街』

十年ほど前に一度読んだ倉橋由美子の短編集『夢のなかの街』を再読。 夢のなかの街 (新潮文庫 草 113E) 作者:倉橋 由美子 新潮社 Amazon 夢のなかの街(新潮文庫) 作者:倉橋 由美子 新潮社 Amazon 迷宮 恋人同士 死刑執行人 夢のなかの街 宇宙人 亜依子たち…

ブックレビュー『チャールズ・デクスター・ウォード事件』

読みやすい南條竹則先生の新訳クトゥルー神話シリーズその4 ラヴクラフト『チャールズ・デクスター・ウォード事件』(新潮文庫)読了。 チャールズ・デクスター・ウォード事件 (新潮文庫 ラ 19-4) 作者:H・P・ラヴクラフト 新潮社 Amazon チャールズ・デ…

ブックレビュー『復讐 三島由紀夫×ミステリ』

河出文庫『復讐 三島由紀夫×ミステリ』を購入、読了。 以前読んだ「博覧会」「朝の純愛」を再読したくなり、 両方収録されている本を探して、これに行き着いたので。 復讐 三島由紀夫×ミステリ (河出文庫) 作者:三島由紀夫 河出書房新社 Amazon 微妙にネタバ…

ブックレビュー『殉教』

三島由紀夫『殉教』を十年ぶりくらいに再読。 前回の記録が雑過ぎたので、今回は少し細かく綴ってみます。 よって、一部ネタバレ気味ですが、ご容赦を。 殉教 (新潮文庫) 作者:由紀夫, 三島 新潮社 Amazon 軽王子と衣通姫 第一部 第二部 殉教 獅子《エウリピ…

ブックレビュー『12人の蒐集家/ティーショップ』

twitter……じゃなかった、X(あーしょーもな)で相互フォローの方が レビューを書かれていたので関心を持って古書購入、読了。 セルビア(旧ユーゴスラヴィア生まれ)の作家ゾラン・ジヴコヴィッチの 短編集『12人の蒐集家/ティーショップ』。 前者のイメー…

ブックレビュー『母娘短編小説集』

19世紀末から20世紀末にかけてアメリカの女性の作家によって書かれた、 母と娘の関係に焦点を当てた 短編小説のアンソロジー『母娘(ははむすめ)短編小説集』(平凡社ライブラリー) を読了。 全9編中6編が南部出身作家の作品で、 いわゆるディープサウス…

ブックレビュー『マッカラーズ短篇集』

アメリカ、ジョージア州出身の作家 カーソン・マッカラーズ(Carson McCullers/本名 Lula Carson Smith 1917-1967)の 中短編小説集『マッカラーズ短篇集』(ちくま文庫)読了。 旧・白水uブックス『悲しき酒場の唄』収録作&新訳4編の全8編。 マッカラ…

ブックレビュー『黄(ウォン)夫人の手』

岩波書店『図書』の連載、四方田犬彦「大泉黒石」を愛読していて、 肝心の作品が気になったので、現在比較的入手が容易な古書を購入。 それなりにおどろおどろしいものを期待していたが、 意外にアッサリ、薄味の(?)選集だった。 黄(ウォン)夫人の手 ---…

ブックレビュー『無明長夜』

三島由紀夫「小説とは何か」(1968~1970年:新潮社『波』連載)を 二回読んで(一度目は特に何とも思わなかったが) 二度目(平凡社ライブラリー『幻想小説とは何か』収録)に 「おや?」と思った芥川賞作家・吉田知子の短編集 『無明長夜』を中古で購入、…

ブックレビュー『殺人鬼』

横溝正史『殺人鬼』読了。 www.amazon.co.jp ドラマ『池松壮亮×金田一耕助1』再放送を鑑賞し、 原作を読みたくなったので、各編が収録されたこの本を購入。 fukagawa-natsumi.hatenablog.com でも、ブクログ本棚には杉本一文画伯の表紙が出るkindle版を登録…