学生時代、大久保康雄・訳を読んだ際は普段読書ペースが異様に遅いというのに、
ほぼ一気読みくらいの勢いで、面白かった~!
と声に出したほどだった。
で、昨年ふと思い立って、この新訳版を購入。
しばし寝かせ、手に取ったところ……むむむむむ。
あらすじを語るに当たって細部に触れがちなので、
後日まっさらな状態で読んでみたいと思っていらっしゃる方はスルーしてください。
序
語り手・私ことジョン・レイ・ジュニア博士は
従兄クラレンス・チョート・クラーク弁護士の依頼で異様な手記の編集を手掛けた。
原稿は1952年11月、
初公判予定日の数日前に冠状動脈血栓症で死亡した被告
ハンバート・ハンバート(仮名)による
『ロリータ、あるいは妻に先立たれた白人男性の告白録』。
法律的・道徳的観点からは大いに非難に値すると思われる
ハンバート・ハンバート(仮名)ではあるが、
博士は彼を嫌悪しつつ、手記は読み物として極めて興味深いと述べる。
第一部
1910年にパリで生まれた私=ハンバート・ハンバート(仮名)の半生。
同年代の少女アナベルとの初恋、しかし、アナベルは少女のまま病没。
その面影を胸に抱き、
表向きは普通の男として年を重ねた私は結婚・離婚も経験したのだが、
本当に好きになるのは亡くなったアナベルと同じ年頃=12~14歳くらいの少女に
限られると自覚していた。
私は知人の紹介でニューハンプシャー州ラムズデールのヘイズ未亡人宅に
間借りすることとなり、夫人の娘ドロレスに一目惚れし、
ロリータというニックネームを付けて熱い視線を送るようになった。
ロリータは年相応に生意気で、ませていて無防備だった。
ところが、ヘイズ未亡人=シャーロットは私が彼女を慕っていると誤解。
その気持ちを利用することにした私はシャーロットと結婚し、
ドロレスの義父の座に収まった。
ところがドロレスがキャンプに参加している間にシャーロットが私の日記を読んで
事実を知ってしまい、外部に暴露するための書簡を投函しようと外に飛び出し、
車にはねられ、即死。
私はショックと悲しみに打ち拉がれた夫にして娘の父を装いつつ、
車でキャンプ場へドロレスを迎えに行った。
ドロレスは保護者となる大人が私しかいなくなったことを理解した。
第二部[途中まで]
私とドロレスは全米を放浪し、
私は、いつか隙を突いてドロレスに逃げられてしまうのではないかという不安に
苛まれ始める。
ドロレスは発熱して入院し、数日後、失踪。
病院のスタッフに「娘さんは昨日退院されました」と告げられた私は、
何者かが逃亡を手引きしたのだと察する。
私はドロレスの行方を追うが杳として知れず、三年もの月日が経過した――。
■ 所感
ハンバート・ハンバート(仮名)は恐らくサイコパスで、
他者への思いやりに欠けた利己的で冷血なナルシストなのだが、
紆余曲折を経て真実の愛に目覚めたけれども時すでに遅し……
といったところ。
一人の人間の目の前の靄が晴れるまでに払われた
犠牲の大きさに眩暈を覚えてしまった。
昔、旧訳版を読んだ際は感じなかった気持ち悪さに耐えた数週間だった。
自分が年を取ったということかな。
おっさんを手玉に取ろうとする少女より、
その子を守らねばならない母親に感情移入するようになったからかもしれない。
ともあれ、ハンバート・ハンバート(仮名)は
贖罪のために自らの同類を襲うことで間接的に自裁を図ったのだろうな、
と思いました。
映画2バージョン、いずれも未見。
両方観てみたい……。
こんな曲もありますわね。




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