深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

シリーズ横溝正史短編集Ⅱ金田一耕助 踊る!▽犬神家の一族

横溝正史短編集Ⅱ-③、ああ最終回「犬神家の一族」。

www4.nhk.or.jp

 

あれを30分にまとめるってどうやって?

金田一耕助ファイル5 犬神家の一族 (角川文庫)

金田一耕助ファイル5 犬神家の一族 (角川文庫)

 
犬神家の一族 角川映画 THE BEST [DVD]

犬神家の一族 角川映画 THE BEST [DVD]

 

 

まさかスターウォーズ方式で事件の概要をダダダーッと説明してから

金田一耕助が「さて、お集まりの皆さん」とか何とか言って広間で

推理を披露するんじゃあるまいな……と、愚考していましたが。

違った、そして、超ッ速ッッ!

原作未読+過去の映像化作品未見の人には

何が何やらわからなかったのでは??

知った上で鑑賞すると、そうか、

例えば舞台化されたもののテレビ放映だと思えばいいのか、

という気分になれるかも。

それにしても、一番の衝撃は

佐清くんのマスクが大頭面スタイルだったことだな……。

あ、ゴメン違うか(笑)。

 

それにしてもワクワクドキドキの三週でした、面白かった。

一番のお気に入りは「華やかな野獣」

度肝を抜かれました(うぷぷ)。

 

 

カクヨム自主企画《春の草花図鑑》

カクヨム自主企画にて三度目のイベント開催です。

今回のお題は《春の草花図鑑》

季節を先取りして(早)春に美しい花を咲かせる植物を主要モチーフとする

掌編・短編を募集――ということで。

私はひとまず、

先月の書き下ろし「玉骨(ぎょっこつ)」を置いておきました。

今、他のユーザーさんが立ち上げた書き下ろし限定の企画用に、

短編を書いていて、完成すれば、

こちらにも仲間入りさせられるのですが、苦戦中。

果たして締め切りに間に合うのか……。

 

f:id:fukagawa_natsumi:20200201042730j:plain

これは狼狽……じゃなくて、蠟梅(ベタな駄洒落)

 

ブックレビュー『完全な真空』

文庫化されて飛びついた、
架空の本の書評群という体裁のメタフィクション短編集『完全な真空』(1971年)。

 

完全な真空 (河出文庫)

完全な真空 (河出文庫)

 

 

順序が逆で、

後から刊行されていた《実在しない未来の本の序文集》『虚数』(1973年)を
先に読んだので、多分ついていけるだろうと思って(笑)。

 

虚数 (文学の冒険シリーズ)

虚数 (文学の冒険シリーズ)

 

 

さて、『完全な真空』、収録は全16題。

特に面白かったのは「親衛隊少将ルイ十六世」と「てめえ」(笑)。
前者はナチスの元親衛隊将校ジークフリート・タウドリツが第二次世界大戦後、

アルゼンチンへ逃れ、パリシアと名付けた奥地に王朝を築く――という、

コンラッド『闇の奥』を想起させる筋立ての小説評。
実在するなら是非読んでみたいと思ってしまった。

 

闇の奥 (光文社古典新訳文庫)

闇の奥 (光文社古典新訳文庫)

 


後者曰く、作品の原題はフランス語「toi」。
著者レイモン・スーラは作中で

読者に語りかけるのではなく“読者について”語ろうとしたのだと述べる。
野心的なアイディアではあったが、その試みは失敗に終わった、
何故なら著者が成し得たのはアクロバティックな言語上の曲芸に過ぎなかったから。
書き手の読者に対する反乱の形式は沈黙以外にあり得ないのだと、評者は語る。


いずれにしても、訳者の一人、沼野充義先生の解説にあるとおり、
レムは架空の書物を書くことで、

作家と批評家という二つの相反する精神を結合させたのだろう。
作中に《書評家》の意識が織り込まれることで成立する

メタフィクションの魔術を堪能した。

 

……少し頭の中がパンパンになってしまった(笑)。

シリーズ横溝正史短編集Ⅱ金田一耕助 踊る!▽華やかな野獣

横溝正史短編集Ⅱ-②、またしても原作未読「華やかな野獣」。

 

華やかな野獣 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)

華やかな野獣 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)

 

 

海辺の洋館で潜入捜査を行っていた金田一耕助の傍らで殺人事件が。

 

www4.nhk.or.jp

 

戦後のネタであり、原作では金田一探偵は、その頃40歳くらいの計算だそうだが、

アルルカンのようなお仕着せのボーイに扮した姿はまるで少年。

そして、他のキャストはすべて女性。

男性のキャラクターも女優が演じて、生々しさを抑え、

しかも、倒錯的な雰囲気を強く醸し出すという演出の妙。

うーん、狂ってる(←褒め言葉だ!)。

越智青年役の門脇麦ちゃん、激しく男前で堪らんかったわ(笑)。

 

そうそう、今回は本当に踊っていましたね、金田一探偵。

曲は「涙のtake a chance」(なんでやねん!)。

 

あー腹痛ぇ(笑)。

来週の最終回、あの「犬神家の一族」を30分で(えええーっ)に超期待!!

 

www4.nhk.or.jp

 

Ⅱ-①「貸しボート十三号」の話はこちら

 

書き下ろし掌編「跡形(あとかた)」出来!

2020年の掌編第二弾、タイトルは「跡形(あとかた)」。

 

f:id:fukagawa_natsumi:20200123215555j:plain

ショートショート「跡形」イメージ

 

 

「あとかたもなく消え失せる」というときの「跡形」。
ちょっと尻切れトンボな語感が作品の雰囲気にピッタリだと自画自賛(笑)。
旅の記憶にまつわる奇譚です。

 

Romancer『掌編 -Short Short Stories-』に追加しました。
あちらの目次をご覧ください。
カクヨムでは横書き版をお読みいただけます。

 

積ん読『貸しボート十三号』

今日買った古書。

横溝正史『貸しボート十三号』。

 

f:id:fukagawa_natsumi:20200121164031j:plain

『貸しボート十三号』書影

 

カバー画は杉本一文画伯。

折り返しの煽り文句はこんな感じ。

 

f:id:fukagawa_natsumi:20200121164134j:plain

『貸しボート十三号』カバー見返し

 

うわ、『犬神家の一族』映画公開前だったのか……(唖然)。

 

ところで、角川文庫の横溝本ってみんな絶版なんですかね?

読みたかったらkindleでどうぞ的な雰囲気ですが。

 

貸しボート十三号 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)

貸しボート十三号 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)

 

 

そんな流れに逆らって、敢えて古い紙の本を購入したのです。

年季が入っている割に状態がとてもよく、有り難い限り。

で、何故今頃これを買ったかというと、先日ドラマを観たから。

なんだかんだ未読作がたくさんあるよなぁ……。

 

シリーズ横溝正史短編集Ⅱ金田一耕助 踊る!▽貸しボート十三号

横溝正史短編集、第一弾はゴッソリ見損ねたので、今回は外さないゾ!

と、早めに録画予約。

で、先ほど視聴。

Ⅱ‐①は「貸しボート十三号」。

……ありゃ、原作未読だわ。

 

貸しボート十三号 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)

貸しボート十三号 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫)

 

 

名門大学の強豪ボート部を巻き込んだ事件のからくりを

金田一耕助が推理。

「今回は推理というほどのものでも……」なんて言っていましたが(笑)。

恋と友情を巡る切ない話(でも殺人事件!)。

 

www4.nhk.or.jp

 

いいなぁ、ちょっと眠たそうな名探偵、ウフフ。