深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

映画鑑賞記『ドッペルゲンガー』

ノーマークだった『ドッペルゲンガー』を鑑賞@BS松竹東急サンいつもアリガトウ💕

 

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とは言ってみたものの、一見して「何じゃコリャ??」ww

かなり変な映画です。

ホラー×コメディというか。

 

医療機器メーカーの研究員・早崎道夫は

身体が不自由な人のQOLを向上させるための機械を作っているのだが、

成果が上がらず苛立っている。

マシンは車椅子に似た形状で、

着座した人の脳波を読み取って義手となるアームを動かし、

ユーザーの生活をサポートするためのもの。

予算の問題、お披露目のこと――等々に追い詰められ、疲弊する彼の前に、

ある日、ドッペルゲンガーが現れ……。

 

 

ドッペルゲンガーとは、

見てしまったら死期が近いとされる幻覚の一種(自己像幻視)だと

思っていたのですが、この映画での扱いは違っていて、

抑圧された第二の人格の実体化……といった感じ。

 

fukagawa-natsumi.hatenablog.com

 

苦悩する道夫Aの許を訪れたのは、見た目はまったく同じ道夫B、

但しBは図々しく下世話かつ下品で、

時折、独創的なメロディを口笛で奏でては、

Aを手伝ってやると称して様々な悪事を働くのだった。

同じ頃、道夫Aの助手である女性・高野の友人、永井由佳は、

同居していた弟・隆志aに自殺されてしまったのだが、

その分身である隆志bが出現し……といった次第で、

似た悩みを抱える道夫Aと由佳は親密になっていき、

更に道夫Bが勝手にアシスタントとして雇った青年・君島も絡んで、

スラップスティックの様相に。

 

ここから少し核心(?)に触れるので例によって白文字で。

鑑賞済の方はドラッグ反転でお読みください。

 

* * * * *

 

道夫Bに嫌気が差した道夫Aはマシン製作工房(廃工場のような場所)で

永井由佳と君島の協力を得て道夫Bをボコボコに殴り、

床にあった上げ蓋を開いて道夫Bを放り捨てた。

その後、道夫A・由佳・君島は4WD車にマシンを積んで、

買ってくれるという企業のある新潟を目指した。

しかし、紆余曲折の末、君島は道夫Aを轢いてマシンを強奪。

どれくらい時間が経ったのか、置き去りにされた由佳が途方に暮れていると、

顔に白いサージカルテープを貼った道夫A【*】が別の車で追いつき、

由佳を助手席に乗せて君島を追うことに……と思いきや、

君島に轢かれた道夫Aは恐らくその場で死んでいて、

マシン製作工房で上げ蓋から遺棄された道夫Bが実は生きており、

一同を追ってきたというのが正解ではないかと思われるのです。

【*】は道夫Aではなく道夫Bなのですよね。

何故かというと、新たな車で由佳をピックアップした道夫が、

道夫Bお得意の独特の口笛を披露するから、なのです。

道夫Aと道夫Bはいつも同じファッションなので、第三者には区別がつきません。

【*】が顔のケガをテープで保護しているというのが

小説で言うところの叙述トリックに当たるのかな。

君島に大けがをさせられた道夫Aと見せかけて、

本当はもっとずっと前の時間帯に重傷を負った道夫B再登場だった、と。

由佳は気づいているのか、いないのか、明言されませんが、何となく

同行しているのが道夫Bだと理解していそうだな、という印象を受けました。

また、それが道夫Bだからこそ、

道夫Aが苦労して作ったマシンを崖から落とすといった暴挙に出ることが

可能だったのではないか、と。

 

* * * * *

 

うーん、何と言ったらいいんだろう、

抑圧されていた第二人格が本体とは独立した(本体に生き写しの)肉体を持って、

自らの欲望を現実化していく物語、なのかな。

よくわかんないっす(笑)💧

 

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