深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

映画鑑賞記『蛇の道』

黒沢清監督の映画『蛇の道』を劇場で鑑賞。

フランス語タイトルは La voie du serpent

(ふーむ voie には「回路」の意味もあるのですね……)

 

映画『蛇の道』パンフレット

 

サイバー攻撃でサーバダウンした影響? なのか??

何だか不安定ですよねKADOKAWAのサイト。

 

eigakan.org

 

ともあれ、オリジナル未見のまま、

黒沢監督自身によるセルフリメイク版を観ました。

暴力シーンがなければ

オールフランスロケのお洒落な映像(全体が青味がかっているのもイイ)ってか。

風景の美しさが物語のグロテスクさを見事に引き立てていますね。

 

8歳の娘を無残に殺され、悲しみに打ちひしがれる父アルベールは

精神のバランスを崩し、通院。

そこに勤務する日本人女性医師・新島小夜子と出会った。

小夜子は憎むべき犯人を探し出して復讐しようと提案し、

二人は事件に関わっていると思われる人物を拉致・監禁。

最初は何も知らないと訴えていた男は二人の仕打ちに音(ね)を上げ、

解散した財団法人の元幹部の名を挙げた。

そこで、二人はそちらの男をも誘拐し、

アジトに連れ込んで尋問を開始したのだが……。

 

ネタバレ回避のため、あらすじの紹介はここまでにしておきますが、

何とも嫌~な気持ちになる救いのない物語で、カタルシスは得られませんでした。

暴力描写は意外にソフトというか(?)さほど露骨でもありませんが、

暗澹たる気分になるという意味で万人向けではありませんね。

 

復讐という行為の虚しさ、か。

うーむむむ。

 

正解を探すように小夜子の部屋を行ったり来たりする

掃除ロボットが印象的。

また、“蛇のような女”と称された小夜子が人質に差し出す食事のトレーに

リンゴが載っているところにも唸りました。

 

が、一番ウケたのはココ!

シュールにも程があるって!!

 

画質悪くてスミマセン💧パンフレットより。小夜子、監禁具を溶接するの巻。

 

ja.wikipedia.org