深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

ドラマ『獄門島』🈞録画視聴。

何故だかずっと見そびれていた2016年版ドラマ『獄門島』再放送を録画視聴。

 

www.nhk.jp

 

終戦、引き揚げ、その途中で死んだ戦友の遺言に従って、

彼の故郷である獄門島を訪れることになった金田一耕助の苦悩。

 

原作を一度読み、ささやななえささやななえこ)コミカライズ版を読み、

市川崑監督の映画をBS放映時に鑑賞していたので、

ひねくれ者の私はどこをどうアレンジしたのか、

ひょっとして原作とは犯人が違うのじゃあるまいかと、

邪な期待と共に見守ったのですが……演出の妙というべきか、

途中、関係者全員が怪しく見えてくる瞬間があって、

ああ、上手いなぁ……と唸ったのでした。

 

 

 : ささや先生の漫画版は、むか~し親戚の家で読んでいて、

 : ずっと後になって「欲しい!!」と思い立ち、

 : 某オークションで競り落としたのでした、ヒヒヒ。

 

 

視聴前にどこかで記事を読んでいたので、本ドラマの金田一耕助

我々にとって馴染み深い名探偵とは風合いが異なるという情報を得ており、

心構えが出来た上での鑑賞だったのですが……驚きました。

キレるんですよ、長谷川金田一、ブッ切れる(笑)。

だけど、戦争に駆り出されて現実に地獄を見て生還した人が、

小さな島の権力争いが原因で殺人が起きたと知って

「ふざけるなッꐦ」と怒(いか)るのは、とても自然なことだと思うのです。

繊細で優しい青年が、戦場からどうにか正気を保って帰ってきて、

見知らぬ人々に取り巻かれて緊張しながら虚勢を張っている感じが

巧みに表現されていて、いい芝居だなぁと惚れ惚れしてしまったのでした。

PTSDに苦しめられていると見受けられる描写もあります)

ラスト、次の事件は等々力警部と共に都内で『悪魔が来りて笛を吹く』だ!

ということで、もう一本長谷川金田一を拝めるのかと思ったら、

もう吉岡金田一にバトンタッチ……なのですね(嫌いじゃないけど)。

また別作品でシニカルな長谷川金田一の姿を拝みたいものだなぁ。

 

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【余談】

 美青年・鵜飼章三役が栁峻太郎さんだった!

 何というハマり役!!

 ラスト、鵜飼は自分を利用するために囲っていた鬼頭志保に見限られ、

 コソコソ島から出ていくところを「お払い箱ですか」などと茶化されて、

 歴代の作では恥ずかしそうにしていたのだけど、今作は違う。

 堂々と胸を張って金田一と対話する姿が美しかった。

 栁さんはこの作品の後「百日紅の下にて」にも川地謙三役で

 モデル歩きを披露したり、

 とてつもなく狼狽して転げ回ったりしていたのですわね(朗読も担当)。

 

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