深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

ここしばらくの間にテレビで観た映画メモ。

BS-NHKとBS松竹東急でオンエアされた映画を録画して

ポツポツ視聴しているのですが、

一つ一つレビューを書かんでもいいかな、ということでザックリと第14回。

 

 

炎上【4K修復版】

父の親友・田山道詮老師が住職を務める驟閣寺に住み込むことになった溝口吾一。

吾一は亡父から驟閣寺を「この世で最も美しい」と教え込まれ、憧れていた。

しかし、住職は運営をビジネスと考えるようになり、

寺を単なる観光名所に貶めていくかのようで、吾一は煩悶し……。

原作本は大絶賛積ん読中(トホホ💧)ですが、

実際の金閣寺放火事件の犯人と三島由紀夫作品を考察したノンフィクションは

読みました。

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映画は美への嫉妬といった抽象的な話をすると取り留めがなくなってしまうため、

三島の『金閣寺』はあくまで原案ということで脇に置いておいて、

犯行に至る主人公の心の動きがわかりやすく描かれている。

母の不貞に目を瞑り、病に斃れた父、

その父に夢物語めかして聞かされていた驟閣寺への憧れ、しかし、

それを穢すかのような俗物住職。

吾一は住職に父の代理を務めてほしかったのだろうが、望みが叶わず……

といった流れではなかろうか。

但し、吾一は吃音症を気に病んでおり、自らを孤独に追い込む癖があった――

というディスコミュニケーションの物語でもあって、

そこは理解できるし、気の毒ではあるのだが……随分子供っぽいよなぁ。

しかし、初アタック雷サマ作品がこれになるとは。

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幼な子われらに生まれ

会社員・田中信は妻・奈苗と娘たち(薫・恵理子)と幸せに暮らしていたが、

妻とは互いに再婚で、娘たちは奈苗の前夫の子供。

また、彼には前妻との間に一人娘・沙織がおり、年に何度か面会していた。

奈苗が懐妊し、新たな家族が加わるとわかったことから

薫が反抗的な態度を取り始め……。

仕事に関することも含めて、内心の動揺を極力外に漏らさず、感情を抑え、

全方位に向けて全力でいい人を演じているかのような男・田中と、

大人びた娘たちのぶつかり合い。

クリスマスを前に誕生した赤子が一同の潤滑剤になってくれるのだろうか……。

 

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

世間をアッと驚かす記事を書きたい駆け出しのジャーナリスト、ダニエルは

サンフランシスコの夜の街角で紳士然とした端正な顔立ちの青年に声をかけ、

仕事用に借りている部屋へ連れ帰って「きみの人生を語ってくれ」と申し入れ、

テープレコーダーのスイッチを押した。

紳士の名はルイ。

生まれてかれこれ二百年、不老不死のヴァンパイアになる前は、

ニューオリンズの農場主だったという……。

変な言い方になりますが、話としては別に面白くもないのだけど、

とてもきれいにまとまった素敵な映画だと思います。

そう、映画として凄くイイ。

実は昔、原作のハヤカワ文庫を買って積んだままにしているうちに、

読了した友人から「買ったならサッサと読めばいいのに。面白かったよ」と

(ネタバレなしで)言われたものの……

結局未読で引っ越しの際に処分してしまったのだった💧

私にはこの2時間の映画がちょうどいいなぁ。

インタビューを録音したテープを車のカセットデッキで再生⇒停止⇒

ラジオに切り替わり、流れてきたのは現代(映画製作当時)のヒット曲[※]――

という演出がニクイね✨

 

[※]ローリング・ストーンズ "Sympathy for the Devil(悪魔を憐れむ歌)" の

   ガンズ・アンド・ローゼズによるカヴァーバージョン。

 

それにしても、嗚呼、BS松竹東急は本当に終了してしまうのか……😿

 

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