深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

DVD鑑賞記『ドグラ・マグラ』

先日『ダークサイドミステリー』の夢野久作特集を見まして。

といっても、オンタイムではなく、録画したものを随分経ってから、

でしたが。

 

www.nhk.jp

 

当然のように代表作『ドグラ・マグラ』の話題にもなり、

映画版の映像がチョロッと流れたわけです。

ああ、昔、借りて観たっけなぁ……懐かしい……と思ったら

矢も楯もたまらずDVDを買ってしまいました。

 

 

このヴィジュアルだとエロっぽい雰囲気ですが、中身はさにあらず。

役者さんがそれぞれ本当にキャラクターにピッタリ嵌っているのが凄い。

 

どんな話なんだよぅ!

と、詰め寄られても説明するのが面倒なので(笑)

気になる方はWikiでも覗いてみてください。

映画の内容は原作の筋を絶妙に掻い摘んで

上手くまとめたものになっていると思います。

 

ja.wikipedia.org

 

私は昔、母の蔵書を借りて読み進め、途中で挫折した経験がありまして。

この映画版を観て「そういうことだったのか」と納得し、

その後、同じ本を自ら購入して、きちんと読了したのでした。

 

 

上記『ダークサイドミステリー』には、

夢野久作こと杉山直樹が自身のルーツを探る行為が反映された作品

……云々とあり、映画を見直して確かにそんな印象を受けました。

《母への思慕》に擬装された、実は《父親捜しの物語》かな、と。

 

別冊幻想文学中井英夫スペシャルⅡ~虚無へ捧ぐる』収録、

原田邦夫「ペダントリーの饗宴」 (日本三大奇書論)も

理解の助けになりますね。

正木教授と若林教授について、

イニシャルMとWが鏡像的対象をなしている――といったところなど。

 

 

ああ、でも、たった一つ文句を言わせてもらえば、

やっぱり用務員さんの登場シーンでは、

お茶と“カステーラ”を出してほしかった(笑)。

あの「今朝からわたし一人でございますもんじゃけん」という

まったりした一言が、

いかにも幻想文学トリックっぽくて好きなんだなぁ。

 

再読しますかね(←ハードル高っ)。