先日『ダークサイドミステリー』の夢野久作特集を見まして。
といっても、オンタイムではなく、録画したものを随分経ってから、
でしたが。
当然のように代表作『ドグラ・マグラ』の話題にもなり、
映画版の映像がチョロッと流れたわけです。
ああ、昔、借りて観たっけなぁ……懐かしい……と思ったら
矢も楯もたまらずDVDを買ってしまいました。
このヴィジュアルだとエロっぽい雰囲気ですが、中身はさにあらず。
役者さんがそれぞれ本当にキャラクターにピッタリ嵌っているのが凄い。
どんな話なんだよぅ!
と、詰め寄られても説明するのが面倒なので(笑)
気になる方はWikiでも覗いてみてください。
映画の内容は原作の筋を絶妙に掻い摘んで
上手くまとめたものになっていると思います。
私は昔、母の蔵書を借りて読み進め、途中で挫折した経験がありまして。
この映画版を観て「そういうことだったのか」と納得し、
その後、同じ本を自ら購入して、きちんと読了したのでした。
上記『ダークサイドミステリー』には、
夢野久作こと杉山直樹が自身のルーツを探る行為が反映された作品
……云々とあり、映画を見直して確かにそんな印象を受けました。
《母への思慕》に擬装された、実は《父親捜しの物語》かな、と。
理解の助けになりますね。
正木教授と若林教授について、
イニシャルMとWが鏡像的対象をなしている――といったところなど。
ああ、でも、たった一つ文句を言わせてもらえば、
やっぱり用務員さんの登場シーンでは、
お茶と“カステーラ”を出してほしかった(笑)。
あの「今朝からわたし一人でございますもんじゃけん」という
まったりした一言が、
いかにも幻想文学トリックっぽくて好きなんだなぁ。
再読しますかね(←ハードル高っ)。