深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

ここしばらくの間にテレビで観た映画メモ。

BS-NHKとBS松竹東急でオンエアされた映画を録画して

ポツポツ視聴しているのですが、

一つ一つレビューを書かんでもいいかな、

ということでザックリと第五回、薬師丸ひろ子ちゃま祭り。

 

 

野性の証明

自衛隊の影の組織《特殊工作隊》の一員・味沢岳史一等陸曹は訓練中、

東北の寒村で事件に巻き込まれ、生き残った少女・長井頼子を引き取って除隊し、

親子として静かに暮らし始めたが……。

薬師丸ひろ子ちゃまスクリーン・デビュー作。

かわいいが過ぎるッッ💕

が、ストーリーが荒唐無稽な上に長尺。

ただ、スタッフ、キャスト共ノリノリで制作されたんだろうなぁ……と、

湯水のごとくドブドブにお金を注ぎ込んでも痛痒を感じなかったらしい

当時の角川春樹事務所の情熱と狂騒っぷりが窺える怪作。

お父さんが深夜、マグカップでインスタントコーヒーを飲む場面、

卓上にブレンディのボトルがあって、これはプロダクトプレイスメントか……

など、素っ頓狂な物語だけにメタ情報が気になってしまいましたが。

ちなみに、原作とはオチが違うそうです(未読)。

 

ねらわれた学園

平和な学園に美少女が転入し、生徒会長選に立候補。

侵略者の配下と思しき彼女に、

学級委員・三田村由香と彼女のナイトである剣道部のエース関耕児が立ち向かう。

昭和のサイケデリック学園SFファンタジー(トホホ💧)。

敵役・高見沢みちるを演じた長谷川真砂美さんの端正な美しさに惚れ惚れ。

もちろん薬師丸ひろ子ちゃまバリかわぇぇ。

後は知らん(笑)。

学園は本当にインベーダーに狙われていたのか、それとも一連の騒動は

生徒たちの受験その他へのプレッシャーから来る

マスヒステリーのような現象だったのか……。

 

セーラー服と機関銃

ヤクザの親分が亡くなり、遺言に従ってその甥が後を継ぐはずだったが、

彼は事故で急逝。

そこで子分たちは甥の娘である女子高生・星泉(ほし いずみ)に

四代目になってくれと頼み込む。

初めは突っ撥ねる泉だったが、弱小組の少数チームに憐れを催し……。

これまた素っ頓狂で「もしかして昭和って平和でいい時代だったの?」と

思わされるクレイジーな映画だが、映像は奇妙に美しいし、

何より薬師丸ひろ子ちゃまが壮絶にかわちい。

しかし、監督の演出のクセなのか、

引きの映像が多く――キャストの顔がほとんどアップにならなかったり、

二、三人が会話する情景を植え込みや簾越しに撮影していたりと、

アイドル映画ではなくアートフィルムなのか、これは……などと思いながら鑑賞。

屋内シーンの際は舞台演劇を見ているかのような錯覚に陥った。

セーラー服を纏った、いたいけな乙女が、ど偉い胆力の持ち主で、

少女(処女)でありながら母のような強さを秘めている――という具合に、

おぢさんの願望・妄想が鬼盛りになっている気がしました。

面白かったけど。

 

探偵物語

田園調布の邸宅に住む令嬢、新井直美はアメリカ留学を目前に控えた女子大生。

探偵・辻山秀一に尾行&護衛(?)され、彼に関心を持つようになったが、

彼の元妻でナイトクラブの歌手・幸子が事件に巻き込まれ……。

好奇心旺盛で物怖じしない、でも、奥手なお嬢様の、一夏の大冒険。

ヤクザが絡んだドタバタ劇だが、それでいて、おっとりして上品で、

何となく安心して見られる作品。

『野生の証明』でJCだった薬師丸ひろ子ちゃまが可憐なJDに……(感涙)。

松田優作さんもカッコイイ。

 

Wの悲劇

三田静香は劇団《海》の研究生。

新作『Wの悲劇』でキャスティングされたのはセリフが一言しかないメイドの役。

そんな彼女にとてつもないビッグ・チャンスが巡って来た。

但し、スキャンダルの渦中に身を投じることと引き換えに……。

夏樹静子のミステリを劇中劇としたメタフィクション映画。

どうしても欲しいものを手に入れたかったら代わりに別のものを諦める、

あるいは元々持っていたものを手放さねばならない、という

山岸凉子原理主義的ストーリーで、

二十歳の駆け出し女優が、

不倫相手にベッドで病死されてしまった小娘になり切って記者会見に臨むシーンが

圧巻。

蜷川幸雄氏が演出家役で出演しているのも見どころの一つ。

劇中の劇団《海》公演『Wの悲劇』は

何となくロシア演劇(チェーホフとか)をイメージさせるのだった。

 

ヒロインに大事な役を奪われてブチ切れる劇団仲間

菊地かおりを演じたのは若き日の高木美保さん(美しい……)!

 

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