深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

チェコ・デザイン100年の旅

世田谷美術館で開催中の『チェコ・デザイン100年の旅』を鑑賞。

 

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チェコ・デザイン100年の旅@世田谷美術館

 

ミュシャをはじめとするアールヌーヴォーからキュビスム

アールデコ、そして、現代に繋がるプロダクトデザインまでを概観。

 

1F~2Fに渡ってドドン!

かと思いきや、この企画展示は1Fのみで、2Fは別物でした。

ちょっとしょんぼり。

とはいえ、独自の文化・美意識を保ちながら大国【※】の「圧」を受け、

影響されつつ、それでもやっぱりチェコチェコ

という流れがわかったし、矜持が感じられました。

(【※】オーストリア=ハンガリー帝国ドイツ帝国ソビエト連邦

カレル・チャペック『R.U.R.』初版本・他、美しい装丁の書籍も並んでいた。

 

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チェコ・デザイン100年の旅・半券

 

チケットのデザインに採用されたラヴリーなおもちゃは「悪魔」ですと!

かわい過ぎる💕

 

おもちゃと言えば、1点だけ、触ってもいいし撮影も可だったのがコレ。

 

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牛のビニール人形

 

ぷにぷにの「赤べこ」(笑)。

 

第二次世界大戦後、社会主義陣営の一国となり、工業化も進んで、

安価な家具・日用品が量産されるようになって、

誰もが同じ程度の暮らしを送り、似たようなモノを所有することになった――

との解説を読んで、なるほどと思いつつ連想したのは、

ブルース・チャトウィンの小説『ウッツ男爵』

(余談ですが、池内紀先生のご冥福をお祈り申し上げます)

 

 

個人の私有財産が悪と見なされた社会主義体制下で、

愛するマイセンのコレクションを守るために

あの手この手を使った男の悲喜交々。