深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

映画鑑賞記『Blue Island 憂鬱之島』

陳梓桓(チャン・ジーウン)監督のドキュメンタリー映画

『Blue Island 憂鬱之島』鑑賞。

 

blueisland-movie.com

 

テレビ番組で紹介されているのを見て「おや、これは……」と思い、

ようやくですが、昨日、映画館へ。

 

『Blue Island』パンフレット表紙。

『Blue Island』チラシ表。

『Blue Island』チラシ裏。

 

文化大革命天安門事件~香港民主化運動の流れを、

そこに加わった個人にスポットを当て、

自由を求めて藻掻く、ごく普通の賢くて優しい人たちの生きざまを切り取った

ドキュメンタリー映画……なのだけど、

メタフィクション小説などを思わせる捻った演出が心憎い。

個人的にかなりツボ。

演じる人と演じられる人(登場人物のモデルとなった実在の人)が

交差する青春犯罪映画『アメリカン・アニマルズ』を連想した。

こちらはあんなおバカな話じゃないけど。

 

booklog.jp

 

近年の香港民主化運動参加者――つまりプロの俳優でない若者たち――が、

文化大革命天安門事件を体験した人々の若かりし日の姿を演じつつ、

自らの現状を語った作品。

だから、紛れもない実話、現実のお話なのだが、

演じる人と演じられる人が「自由とは」「信念とは」「香港とは」等々を

サシで(しかも監房の中で)語らう場面などは、

まるで幻想文学のワンシーンのようで、

そんな悠長なことを言っている場合じゃないとわかっていても、

つい頬が緩んでしまったのだった。

近くて遠いの非情な現実を突きつけられるのだけれども、

スクリーンに映し出される人たちの、

迷いや後悔を抱えながら真摯に前を見据える表情がとても美しくて

胸を打たれた。

そして、16歳のとき、イギリス統治下の香港で

中国共産党寄りの政治活動に参加して投獄された経験のある

楊宇傑(レイモンド・ヤン)氏・71歳の言葉に深く頷いた。

 

 国を愛するには、まず国があなたを愛さなければならない。

 国があなたを愛さないのならば、どうして愛し返すことができるのだろうか?

 

ねえ?

 

本編終了後、監督からの短いメッセージ映像が続けて流されたのだが、

なんかもう、凄い早口で、立て板に水!! 状態で、

ああ、真剣なんだ、必死なんだ、想いが溢れて止まらないんだなぁ……

と痛感した。

 

そうそう、雨の日も風の日も入念なストレッチをして

ビクトリア・ハーバーに飛び込む

陳克治(チャン・ハックジー)さん74歳がメチャかっこよかったのよ💕

 

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org