Eテレ『漫勉neo』諸星大二郎の巻を鑑賞。
浦沢直樹氏との対談中も口数は少ないが、決して不愛想なのではなく、
常にニコニコしていて穏やかな人柄を窺わせる巨匠。
生年だけで言えばいわゆる24年組相当の大ベテラン。
あるいは両方と親交のあった少女漫画畑の人以外は1949年前後生まれでも
24年組とは呼ばれないらしい。
それはさておき。
昔、ファンの人がサイトで披露している諸星先生との思い出話を読んだら、
とても温厚で優しい方だと書いてあった記憶があるのだが、
それは本当だったのだな、と嬉しくなった。
しかし、基本的に無口なのか、照れ屋さんなのか、
あまり創作の秘密を明かそうとしてくれないので不安になる視聴者(私)。
仕事場にカメラを設置して作業の進捗を観察。
ペン入れの段階でも下描きの延長のような不確定な線描で、
それが独特の作風を生み出すのだろうか(読者に不安を与えるよね……)。
だが、時折ご機嫌な鼻歌が漏れてホッとする視聴者(私)。
床に蒲団を敷いて仮眠タイム、そこで「これも放送するんですか?」って、
かわゆいな、巨匠。
例えば楳図かずお作品などを面白い、好きだと思うが、
あの怖さは真似できないので、
恐怖漫画を描きながらもどこか可愛くしてしまう傾向が……とおっしゃる。
そうだったのか。
余談だが、吉祥寺周辺には怪奇漫画家を吸い寄せる磁場でもあるのか?
「女の子を描いていると楽しい」とは、何とも正直な(笑)!
そうそう、諸星作品の好きな点の一つは
女の子が意外に(←失礼💧)かわゆいことなのだった。
人体をいかにも漫画らしくデフォルメしない、
自然な描き方が却ってエロティシズムを醸し出すのだなぁ……。
絵に自信がないから少しでもよくしようとして描き込みを加えていくのだが、
作業を進めつつ、もっと考えて描けよと自らに駄目出しするとか、
それでいて、スクリーントーンの貼り方が大胆過ぎる(=雑ww)とか、
謙虚でありながらアグレッシヴな姿勢がカッコイイ。
何故、人は諸星作品に惹かれるのか――という疑問に答えを出す浦沢氏曰く、
誰もが一度は見る奇怪な悪夢を写し取ったかのような作品群だからでは。
確かに。
濃密な一時間ではあったが、もっと古い作品の話題に触れてほしかったかな……。
栞と紙魚子のシュールで無責任なやり取りも大好き♥
で、ブクログ本棚に登録した諸星作品群を並べてみたら、こんな感じだった。
あまり熱心なファンではないので(スミマセン)
更新が停止している感が否めませんが……。
ああ、またいろいろ読み返したくなってきた。
個人的には初期の、それこそ読んでいてモロに不安を掻き立てられる
(ちょっぴりラヴクラフト臭も感じられる)短編群が特に好きだ。