深川夏眠の備忘録

自称アマチュア小説家の雑記。

ブックレビュー『夢十夜』

近藤ようこによるコミック版『夢十夜』が文庫化されていたことを

遅れて知り、急いで買った(別に慌てる必要はなかったが……)。

 

夢十夜 (岩波現代文庫)

夢十夜 (岩波現代文庫)

  • 発売日: 2020/01/18
  • メディア: 文庫
 

 

描き下ろし一編が追加されているのでラッキー!

と思ったが、なんとなく、コンパクトサイズなのがもったいない気がした。

いや、でも、“夢十一夜”になっていて、お得だからよしとしよう。

 

夢十夜

夢十夜

 

 

原作は何度も読んだが、印象の度合いが一編ごとに異なり、

「はいはい、お馴染みのアレ」と感じもすれば(第一夜、第三夜、第六夜など)

「えっ、こんなエピソードがあったっけ?」とギクッとする瞬間もあって、

記憶のいい加減さを棚に上げて、それがこの連作の、

あるいは近藤氏の絵が持つ不思議な力だと思うことにした。

描き下ろし「第十一夜」には、

まるで自分の頭の中を覗かれたかのようでヒヤッとした。

自宅への帰路を見失って道に迷い、泣きたくなる……だなんて(苦笑)。

あるいは誰もが、こんな夢を見た経験があるのだろうか。

 

文鳥・夢十夜・永日小品 (角川文庫クラシックス)

文鳥・夢十夜・永日小品 (角川文庫クラシックス)

  • 作者:夏目 漱石
  • 発売日: 1970/05/12
  • メディア: 文庫
 

 

夢十夜』本体全文が掲載されている「日本表象文化論」講義録、

漱石フロイトが同時代人である点を指摘した、

高山宏『夢十夜を十夜で』を再読したくなった。

 

夢十夜を十夜で (はとり文庫 3)

夢十夜を十夜で (はとり文庫 3)

  • 作者:高山 宏
  • 発売日: 2011/12/21
  • メディア: 文庫