2009年に手塚治虫文化賞・新生賞を受賞した、
丸尾先生の『パノラマ島綺譚』を読み返した。
購入したのは2008年の初版なので、受賞前。
ブクログを使い始めてじきに書いたレビューを転記すると――
あの風景をいかに画像化するかが問題なワケですけど、ああ、これだ――と、
異論を挟む余地のない素晴らしいヴィジュアライズ!
全体としては、とても流れの緩やかな、
意図的に回転速度を落として再生される映画を
観せられているかのような印象を受けました。
あとですね、千代子が無口なのがイイ(゚∀゚)!
「なぜ」「どうなってるの」等々、
小うるさいことをゴチャゴチャ言わないところが。
蘇生した夫は本人ではないかもしれない、この人はニセモノでは……
という疑念を抱いたら、不安と恐怖で固まってしまうというのが
自然というかリアルじゃないでしょうか。
……ですね。
個人的には終盤に登場する明智小五郎が、
ちょっと嫌なヤツっぽい二枚目で、得も言われぬ色気があって好きです。
またそのうちじっくり鑑賞しよう。