終わりましたねKAC2022。
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ああ、しんどかった。
別に無理をする必要はなかったんですけど、
初参加だった去年が(チャレンジ精神的に)不甲斐なかったもんですから、
間に合いそうなら間に合わせよう――というのが
今回のポリシーでしたので。
●●賞だの何だのを獲得したいがために躍起になったのではありませんよ、
念のため。
締め切りを意識して短時日で一つ一つの課題を形にする
トレーニングのようなものだったワケです。
さて、ともかく終わりましたによって、一編ずつ、
自註というか種明かしというかネタばらしというか……を、
ここでひっそり、やってみたいと思いまする。
■ KAC20221:お題〈二刀流〉
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まず、お題を目にしてダメだこりゃと思いましたね。
カクヨムユーザーに配信されるメルマガって、
ほとんど読まずに削除している(←ひでェ!)ので、
よくわかっていなかったのですが、お題をユーザーから募集して、
そこから運営サイドが11ヶ選出したらしいのですけど……
うーん、なんだかな、と。
趣味・指向・嗜好の絶望的な噛み合わなさを痛感。
いや、大谷さんはカッコイイですけどね⚾✨
一旦諦めかけましたが、フイと
二刀流=二重生活でいいんじゃないかと閃いたので、
ダブルワーク青年の話にホーソーン「ウェイクフィールド」を
絡めたら、どうにかなったのでした。
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ぶっちゃけ苦手なんですけどね、ホーソーン(そんなに好きじゃない💧)。
ちなみに、タイトル moonlighting は副業のこと。
ショートショートは時期を見てRomancerの掌編集に収録したい考えなので、
『掌編 -Short Short Stories-』または『月と吸血鬼の遁走曲(フーガ)』
いずれかに組み込める条件を仕込んでおく必要があるという
マイルールがございまして。
romancer.voyager.co.jp
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前者に入れられるのは辞書に載っている二字熟語タイトルの作品、
後者はタイトル自由、但し、月または吸血鬼、
あるいはその両方がキーアイテムとなる作品――なのです。
といった次第で、
カタカナ題名なら少々強引にでも月を捻じ込まねばイカン! と。
ともあれ、使い回しの利きそうなキャラクターを誕生させられたのは
よかったです。
■ KAC20222:お題〈推し活〉
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いよいよあー、ダメだこりゃと深い溜め息。
お題を見た時点で降りようとしたんですけども、
逆に他の書き手が多分絶対しないアプローチで書いたろか、と
謎の闘志が湧いたので(笑)アイドル or Vtuber etc... →投げ銭→
骨董雑貨店を繰り返し訪れてお気に入りの商品に献金する
ピグマリオンコンプレックスの幽霊の話と相成りました。
これもカタカナタイトルになったので無理に月を出しました。
幽霊が満月の晩に現れること&お店の経営者が IWATSUKI さん。
タイトル antiquus は「古い」という意味のラテン語で、
アンティークと旧友のダブルミーニング。
自己評価5段階で☆☆なのは、出来たことは出来たけれど、やっぱり
なんで私が推し活なんてワードを使わねばならんのさ
てな不満が燻っているからです(笑)。
■ KAC20223:お題〈第六感〉
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あのー、前回のKAC2021第三のお題が〈直観〉だったじゃないすか。
どうしてまた、ほぼほぼ同じニュアンスの単語を持って来るかな……と。
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しかし、去年は最低文字数1200字だったのが、
今年は600字に低減されたので、
かつて某n●teやパブーでやっていたミニ掌編感覚で
サクッとトライしてみました。
ずっと昔、祖母に聞いた話を、ふと思い出したので、
うーんと(かな~り)加工して書いてみました。
■ KAC20224:お題〈お笑い/コメディ〉
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まずは「笑える小説」の需要が多いことに驚き、
この時点でギヴアップしようとしたのですが、
頭からコメディア・デラルテの名が離れない……のは、きっと
小説の神様のお告げだ、無理にでも書くのだ!
と気合いを入れて短時間でやっつけました。
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出題者が求めているのは字義通り
読者に笑いをもたらす作品なのでしょうが、
そんなの全然書く気にならんので、
「《喜劇》《コメディ》を題材にした奇譚」を捻り出してみました。
オチが凡庸なので自己評価5段階で☆☆止まり。
ただ、コッドピース小説(!)の増殖に
微力ながら貢献出来たのはよかったです(笑)。
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■ KAC20225:お題〈88歳〉
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これもお題を見た瞬間フリーズしましたね。
一体何をやらせたいのか、と。
でも、ご長寿→不老長命……の連想で、あの、
肉球でぷにぷに🐾とタブレットを操るアイツの話にしようと思いつき。
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第四回のお題が〈お笑い/コメディ〉にもかかわらず、
笑劇を題材にしつつコメディではない話を書いてしまったこともあり、
こっちをコメディタッチにしてみようと。
だって、お年寄りをdisるような話にするのはいかがなものかと
思いますでしょう?
しかし、本意でないのは言うまでもなく。
タイトルも苦し紛れに猫とタッグを組む亀の名前そのまま、とか、
早くも黒歴史風味……。
■ KAC20226:お題〈焼き鳥が登場する物語〉
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どうせならこのくらいフザケてくれ、ってところですかね。
逆にやる気が出ました(笑)。
とは言っても時間がないので、語り手は「ムーンライティング」と同じ、
コーヒーが美味い古書店《香風話堂(かふわどう)》店長代理。
第一のお題に挑戦しておいてよかった……と痛感。
人魚を食おうぜ✨という物語が既にありますので、
二番煎じと残酷描写を回避すべく、
都会の片隅のモヤッとした気持ち悪い話、程度に抑えておきました。
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■ KAC20227:お題〈出会いと別れ〉
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イベントも後半になってようやく尋常なお題。
ですが、これは結構難しい。
「出会い」または「別れ」だけなら簡単かもしれませんが、
「出会いと別れ」ということは、幾許かの溜め及び尺が必要なので……。
ともあれ、ジュースはイタリア料理店などで何度か飲んでいるものの、
果実自体にはなかなかお目にかかれないと長年思っていた
眷恋の生タロッコを初めて食した記念に、
ブラッドオレンジをネタに一編、チュルッと。
しかし、時間が足りない。
そんなときは既存のキャラクターを使い回すのが一番(笑)。
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私の創作上の関心は結局、こうした「今はもういない人」や
「既に失われた物や場所」に向いているのだなと、再認しました。
■ KAC20228:お題〈私だけのヒーロー〉
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甘ったるいなぁ ꐦ いいえ、いいんですよ別に。
古きよき少女マンガのノリかな、それとも、
おぼこ娘(←死語?)&彼女にだけ優しいイケメンがイチャイチャする話が
求められているのか?
そんなの知ったことかぁぁぁ! と、逆張りでアンチヒーロー譚。
結果、創作人生初のラテン系掌編と相成って Viva 瓢箪から駒!
せっかくですからコソッと種明かししておきますね。
大体こんな意味だそうです。
・アメリオ(Amelio)勤勉な
・デシデリオ(Desiderio)憧れ
・ボニファシオ(Bonifacio)恩人
・オダリス(Odalis)裕福な
・コルデーロ(Cordero)仔羊
・パトリシア(Patricia)高潔な
■ KAC20229:お題〈猫の手を借りた結果〉
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これまた皆さんお好きですよね、
◎◎が○○した結果だの、□□な△△の末路とかいう定型句。
やれやれ。
だが、しかし。
嘆息しつつも頭の中では筋書きが隆起していたのだった。
とはいえ時間がない(いつもコレだ💧)ので、
猫雷(ネコライ)とかブランコとか(ヴァイス、とも)
あるいは白湯(パイタン🍜)などと呼ばれる例のネコ様に
再びご登場願いました。
なんだかんだで《香風話堂》店長代理は三度目の出演だ!
ああ、お題その1で降臨させておいてよかった……💕
■ KAC202210:お題〈真夜中〉
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このお題は、ずとまよさんのファンの方の提案だったんでしょうか?
別にどっちでもいいけど。
これについてはすぐ真夜中のパーティを思いついて書けました。
そして、11作中最も普段の私らしい筆致と自負しております。
掌編はこのくらいスッキリまとまっているのがヨイよ。
タロットカードが重要なアイテムになっていますけれども、
KAC2022突入前に着手して、まだ終わっていない書き下ろし作品も同様で
……というか、そっちを引き摺ってしまったのが本当のところ。
> 宵っ張りの遊び人が小腹を満たしに集う、密やかなレストラン
も、共通のイメージです。
完成して電子書籍をリリース出来たら、是非お読みいただきたいですなぁ。
fukagawa-natsumi.hatenablog.com
私は嫌煙家なので、本当はタバコの類を出したくないのですが、
今回は演出としてどうしても必要だったので、チラッと。
■ KAC202211:お題〈日記〉
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「ライカンスロピー」を、お題が出た当日中にサクッと仕上げ、
翌土曜、意気揚々と新型コロナワクチン接種3回目を受けに行きまして
……次の日から三日間(つまり日曜から火曜まで)
メチャクチャ体調が悪かったのです!!!
でもって、日記体小説は、やろうと思えば長くなる――のは、学習済。
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どうすれば短時間で制限字数内に収めて書けるだろうと、
しばし悩みました。
日記体あるいは日記をテクストのメインとする小説について語る二人
――というメタフィクション話にしようかとも思いましたが、
取り留めがなさ過ぎる! そして、それでは間に合わん!!
さすがにこの段階では皆勤賞を目指していましたし。
が、もうダメかもと思った瞬間……来た、交換日記だ!!!
で、どうにか書けましたけども、我ながらモヤモヤしますね(苦笑)。
まあ、なんというか、アレです、例の、コグスウェルですよ、
> 人間は二つの道を同時にたどることはできない、
> 〈精神〉と〈自然〉とはどうしても相反する運命にあるのだ、
> と言ったろう。
> これは真実だ。だが、嘘でもある。両方たどることはできるのだ。
> ただし、そうするには二つの世界が必要だ。
ってヤツね、「壁の中」(The Wall Around the World,1953)。
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付言しますと、主要キャラクター三人の名前の漢字には
みんな「心」が入っております。
(時間がぁぁぁって騒ぐ割には細かいところに凝る性分)
◆まとめ
インデックスです。いつでもどうぞ、なんつって。
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残念ながらKAC202110〈ゴール〉から生まれた「見者-voyant-」ほどの
出来栄えにはなりませんでしたね、一作たりとも。
それが残念です。
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いつもこれくらい短くてエッジが利いてて
幻惑的な話を書きたいものだよね……。
【追記】
こうしてブログを書いている間に運営からメールが来まして、
抽選で当たったそうです、ギフト券¥1000。
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へぇそりゃどうも、ということで。